要約

TWE App_Tag において event の伝送を親機相手に確認できたが,中継器を介したテストでは動作しなかった。

経緯目的

遠隔スイッチのオンオフ状態を TWE エンドデバイスで確認し,その伝送距離を中継器により延伸する。

Summary

TWE App_Tag detected that my scrach switch is on/off. However, the repeater could not transmit the status to coordinator.

Motive

Working switch (0xFE) mode in TWE App_Tag at first, Extend the range by repeater.


TWE スイッチ監視とその通信距離延伸 Building TWE switch monitor and the range extension 2019-03-17

設計 Design

製作の手間を省くため,自作スイッチの電源を XBee 通信に使用していた自作 DC/DC コンバータを再利用しました。屋外設置とし,ケースは防水,モジュールは #5 に使用していた平面アンテナ型の TWE Blue タイプです。

組立について Assembly

配線基板 Wired board

元の実装済み秋月電子オリジナルC基板 AE-C3 上にOPアンプを搭載しました。自作スイッチ電源用に,XBee に使用していた 3V3 定電圧回路を 使用しています。これを TWE にも給電しています。この基板を Daiso の板厚 9mm の 木材の上にスペーサを挟んで固定しました。パイプ取付用のバック プレーンも同じ部材から切り出しました。

配線と電源 Wiring & power supply

スイッチケーブルは XBee の外付けセンサケーブルに使用していた 2.9m のシールド線を再利用しています。電源電池は単三2本です。XBee 故障で 不要となった電池を再利用しています。今後も TWE で使えなくなった LR6 を再利用する予定です。TWE に用いられる I2C インタフェースのセンサは 定電圧でなくとも動作しますので,#4 および #6 には DC/DC コンバータによる定電圧電源を搭載していません。

TWErepeater
Photo1 Board assembly
TWEinstall
Photo2 Disappointed real installation point

室内試験およびフィールド試験 Indoor test and field test

室内試験 Indoor test

最初,0.2SQ 長さ 30cm 程のツイスト撚線を用いて,TWE DIO 動作確認および Slip21 による Alarm 発報試験をしている間は,感度が高過ぎかなと 思うくらいで支障がなかったのが,2.9m の伝送にするとエラーが多くなったと実感した結果,統計を取ってみた。DIO 端子を DSO のワンショット現象を トリガかけると,スイッチが遷移していなのに DIO の信号レベルが閾値を超えて発報している。しかしのその頻度に規則性が感じられない。

試験結果 The test result

Slip21 のメニューにはメール通知機能 Alarm があります。発生事象をメールに発生日時を記録しているのでその記録を LibreOffice の Calc を 用いてチャートにした結果を Figure1 に示します。回路を見直して検討すると,閾値の設定を変更したのが良くなかった。私の勘違いであった。回路常数を 変更し,耐ノイズ性を高めるために部品を追加して同じ試験を継続した結果,連続9時間半 誤動作がありません。

TWEevent
Figure 1 Wrong alarm intervals Measured by Slip21

屋外試験 Outdoor test

最初,これまで庭の北東角の位置に に示すように設置して自作スイッチから発報させてみたが,メールが発信されない。中継器の近くに移動させてもNGである。自 室に戻し,内部をチェックし発報させるとOKです。

試験結果 The test result

発報しているものの不達のようだ。庭を移動して発報させると,当たり前だが発報を確認できた。受信メールの違いをみると,LQI の値が大きく異なる。 MonoStick を設置している居室の机上で むき出し状態だと LQI は 144 に達するから TWE の劣化ではなさそうです。

その後,屋外に設置した状態で連続12日間,誤報はなかった。それなりにノイズ対策の効果はあったのかもしれません。

TWEeventInstallNE
Photo 3 Original further point without repeater at first

評価および課題 Evaluation and Remark

評価 Evaluation

元々 庭の北東角は XBee だと受信OKですが, TWE がNGである箇所のひとつではあります。中継器が機能しないので,家に近接させて設置しました。 残念です。マニュアルには,「無線タグアプリのパケットのみ中継可能です」[1]とあります。

想像するに,Tag_App の取り扱うセンサは発信するばかりでスイッチ動作だけが親機の DIO をトグル動作できます。中継器だと,この機能を殺して インストールするわけにはいかないのでしょうか。ソフトの統一性透過性が損なわれて,後のメンテナンスに支障をきたすのかもしれません。 あるいはこの種の改変はソフトは公開されているのだから,ユーザが対応すべきなのかもしれません。

誤動作の信号を待機している間に,たまたま Photo3 に示すスパイクノイズが見出されました。この種のノイズは単なるローパスフィルタでは除去できません。 望外の結果でした。サグは 2.72V もあり,シールド線 2.9m の信号線電圧を 3V3 に措定するのは無理筋のようです。トラクタもしくは刈り払い機のような農機, 自動車から発する電磁波ノイズの影響は避けられないかもしれません。なお信号ラインに乗っている低周波のうねりは,消費電流が少ないため発生する DC/DC コンパータの出力変動です。

TWEeventNoise
Photo 3 Observed spike noise at 51 kHz

課題 Remark

TWE を使いこなすには,SDKを使用してファームウェアを改変する力量が求められます。しかしながら私にはそんなスキルもなく習得する時間的余裕も ありません。別途,方策を考えなければならなくなりました。

参考 Ref.

  1. 中継機の使用方法

© Enoki 2019 March 17