テレビのリモコンが動作しなくなると,ショックを与えたり電池をグルグル回すと機能が回復する事がある。この現象は電池電極と 電池ケースの電極との接触不良が原因だ。屋外に設置したワイヤレス温度センサにも同様の現象と見られる事象が起きたので報告 する。まず,Slip21 によるチャートを提示する。M3がリモート温度センサの出力である。リモートセンサを追加する以前は,単に 接触不良による急激な電圧低下だけであった。今回はリモートセンサの値が急激に低下する事象が間欠的に生じている。これはノイズ対策上, 出力を電流に変換しているため電力を要するためだろうと思われる。また測定開始の初期は,全く異常値を示さず,何らかの経時的 要因が作用しているのではないかと思わせる測定結果だ。
異常事象が起きた時間帯は全て真夜中である。冷え込みによる結露が影響しているのかもしれない。異常値を示した後,暫時,正常に 復帰するのは何故であろうか。
使用している XBee エンドデバイスはスリープモード動作させており,殆ど電流は流れない。温度 測定し,送信するときのみ大電流が流れる。その比は300倍以上である。これから,実証しようとしている回路だと3000倍になる。 ますます電池電極の接触不良が懸念される。上のチャートを拡大して示すと,下図のようになる。夜間に気温が急上昇しているのは, センサを居室に持ち込んだためである。Rec 3100-3300 の間にある異常値の際には,たまたま電圧異常を Slip.htm により知った。その電池電圧は 0.4V を示し,DC-DC コンバータの動作範囲以下であった。 本体内蔵温度センサ出力とリモート温度センサの出力は夜間,ほぼ同一になる。本体とリモートセンサとのケーブルは3mである。
日中の気温はいかに日光の影響が大きいかわかる。装置は東向きの軒下に設置してあるので,朝日を浴びて急激に温度が上昇する。 地表においてあるリモートセンサは熱容量が小さいせいか,風の影響も大きく変動するのかもしれない。曇天だったらどうなるか の判断は,やはり,日射を何らかの方法で測らないと判らない。
気象庁が発表する気温は百葉箱に類する物内の気温であるから,実際の植物が感じている気温とは異なるのではないか。植物は 光合成をする。その大きな要素である気温と光を継続的に測るのは意味があると思う。日光を遮る事はできても,増大させる事は 適わない。これからのハウス栽培は日照条件を加味して,極め細やかな環境制御が求められるかもしれない。