経緯目的 Motive :
Mnマンガン単3電池を単2に変更してどの位,電池寿命が延びるのか春夏間の屋外連続運転を行った。
I have confirmed how long Mn R14 batteries life is in a field test in spring and summer, comparative with R6.

XBee: Mnマンガン単2電池を用いた春夏期運転結果 2015-09-14

Tweet

Mn 単2電池の寿命実測結果

SUM2Phase1
Fig.1 Mn Battery SUM2 Dissipation Phase1

使用したマンガン電池は,Daiso ブランドだ。

Fig.1 に日毎 00:00 における電池電圧低下の様子を示す。

ワイヤレスモジュール XBee は1分毎に Coordinator にデータを送信している。記録は2分間隔だ。















SUM2Phase2
Fig.2 Mn Battery SUM2 Dissipation Phase2

Fig.2 に電池電圧低下が安定した Phase2 の様子を示す。

記録時間間隔は3分である。本センサは光測定もできる。地面からの間接光強度 01Sn をチャートに合わせて表示させてみた。電池電圧の脈動と光入力が同期している。 おそらく,電池が太陽光に炙られて電池温度が上昇し,電池電圧が上昇したのであろう。この頃は01機にポッドのシェードがなく,ポリ袋を巻きつけただけだったせいもある。

Daiso で購入したGPブランド単3にはこのような特性を示さなかった。Daiso 単2特有の過大な温度影響だろうか。出力が低下する訳ではないので別段,支障はない。










SUM2Phase3
Fig.3 Mn Battery SUM2 Dissipation Phase3

Fig.3 に電池寿命がつきる直前の電圧変動の様子を示す。送信停止する4日前に電圧が異常に大きく変動したが,その原因はわからない。

マンガン単3電池の寿命75日間に比べ,単2電池は 122 日間に伸びた。

Daiso の単2電池の1パックの本数は単3の半分であるから,単にコストパフォーマンスから考えると単3の方が経済的だが,電池交換の手間を省く面では有利だ。 単2は単3の電池容量が通常倍になるように設計されているとしたら,この違いは単3がGPブランドで,他方,単2が Dasio ブランドに起因するのかもしれない。











単2電池正極における赤錆の発生

SUM2
Fig.4 Mn R14 battery positive electrode rust

この項目は私のブログ nabezoco で既に記載した内容に考察を追記した。Fig.4 に腐食の様子を示す。推奨使用期限は 04-2018 になっている。01機に使用していた電池の正極の端が腐食していた。使用期間は 126 日だ。外観上は赤錆だ。 発生した部位は電池ホルダの電極と接しない部分で幸いであった。ケースの上蓋を開けてみると,電池とホルダ内部以外は結露あるいは埃の類は全く見られなかった。 雨水が浸入したとは思われない。日中,水蒸気の含んだ空気がケース内に入り,夜間,気温が下がると,熱伝道度の大きい金属部分が冷却し結露するのだろうか。

東芝の説明によれば,鉄とニッケルメッキの界面での耐食によるガスが発生するらしい。ただし,これは長期保存の場合だ。夏季のフィールド試験だと劣化が加速され,数箇月の間に耐食が発生するのだろうか。

マンガン電池の原料が漏れ浸透して腐食する事はないだろうか。塩化アンモニウムが怪しい。例えば,耐食性合金のステンレス鋼でも塩水に浸しておくと腐食する。

写真では不鮮明だが,正極を示す白十字の印刷が未使用品と比較すると,色落ちしている。紫外線防止の植木鉢をケースに被せる以前の買い物ポリ袋は,やはり紫外線を透過する。厚さ不詳のPEフィルムだと紫外線の70%が透過する。

01機のボード締結に使用しているクロメート処理の鉄製ネジに全く腐食が認められないから,単2電池電極の腐食は湿気の影響より,電池固有の腐食の可能性が高い。Niメッキの品質が良くないのかもしれない。 電池の正極と負極間には電位があるから,微小電流が絶えず流れているので,メッキが均一でないと,正極の母材であるFeがイオン化して水分子が付着すると酸化腐食が進行するのでなかろうか。

結論 Conclusion

参考 Ref

  1. 電池ケース用Niめっき鋼板の諸特性
  2. 電気化学(電池)
  3. プラスチック・フィルムの紫外線透過率-Ⅱ
  4. Biwa Lake JAPAN   © 2015 Enoki